変わった名前の庭木の病気 ~赤星病・フェアリーリング病・生理障害
ガーデニングに興味がある人であれば、庭木の健康はとても気になるところでしょう。
庭の木や植物が病気になったら、自分の子供が病気になったときのように心配になることでしょう。
ここでは庭木や植物の病気の中から、ちょっとだけ名前がユニークなものを紹介してみたいと思います。
うどんこ病
うどんこ病は、そのまんま名前の通り、うどん粉をまぶしたようにうっすらと白くなる症状です。
葉っぱや花首に起きます。
この「白い粉」は胞子で、風に乗って運ばれてきて、植物の表面に寄生します。
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栄養を植物からもらっているので、生きている植物に寄生することでのも生きられます。
植物の表面でしか生きられない胞子なので、発見は比較的しやすいと言えます。
サイズも肉眼で確認できるレベルなので、症状が深刻になる前に発見することが可能です。
対策としては、殺虫剤や殺菌スプレーを巻きます。
病気が進んでいた場合は、胞子を退治した後も、寄生していた部分が少し灰色っぽくなっています。
もち病
うどんこ病についでこんども同じく食べ物(炭水化物)の名前がすけられた「もち病」についてです。
名前の由来は、葉っぱが「餅を焼いたように」膨らんでくることにあります。
葉っぱが膨らむ理由は、この病気の原因となる菌が「植物ホルモン」を大量に分泌するからです。
正確には「インドール酢酸」という物質ですが、この影響で侵入された葉っぱが異常に成長するため、膨張するというわけです。
木の全部の葉っぱで同時に進むことはなく、一部の葉っぱだけで起こることが多いです。
放置しておくとそこから胞子を作って広まっていくので、早めにその葉っぱを摘み取って処分することが重要です。
胞子が作られると、うどんこ病のように葉っぱが白くなります。
赤星病
阪神ファン、および野球ファンなら絶対に反応してしまうであろう、赤星病です。(笑)
葉っぱに「赤い星=オレンジ色の斑点」が現れるのが特徴で、さび病の一種です。
オレンジ色になる理由は、胞子と水滴の化学反応のようなもので、もとの胞子は茶褐色の塊です。
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冬はビャクシン類の葉っぱや枝に寄生し、春にはボケやナシに寄生するという、季節によって居場所が変わるのがこの胞子の特徴です。
赤星病はりんごやナシの大敵ですが、冬に寄生する「ビャクシン類」が生えていなければ、そこで命が途絶えてしまいます。
なので、ビャクシン類さえなければこの病気を根絶できるわけです。
そのため、りんごやナシの産地では、果樹林の近くにビャクシン類を植えることを、条例で禁止しているケースもあります。
*なお、阪神ファンが反応する赤星というのは、いうまでもなく阪神で活躍していた盗塁王、赤星憲広氏のことです。
フェアリーリング病
なんともオシャレな、名前をつけた人のセンスに感心してしまう病名の一つです。
芝生の上にきのこ類がリング状に生える、という病気です。
ちなみに、すべてがリング状であるとは限らず、線状のこともあります。
しかし、それではこの素敵なネーミングが台無しになってしまうので、あえてリング状という部分を強調しておきます。
生えたきのこは土や芝生の草本体から、栄養を吸い取って成長します。
そのため、除去する時に感染部分の芝生を取ったら、それも放置せずに処分する必要があります。
放置していると胞子を飛ばして、また繁殖してしまいます。
生理障害
植物にも女性がいるのか、と思ってしますネーミングですが、もちろん性別は関係ありません。
ここでいう「生理」というのは養分の過不足などのことを指します。
養分が過剰だったり不足だったりすれば、当然さまざまな問題が起きます。
ただ、その時の症状が病気に似ていて、別の症状と混同することでより事態を複雑にしてしまうことがあります。
そのような勘違いをしないためにも、植物の不調が病気や害虫によるものなのか、あるいは生理障害なのかの区別をする必要があるわけです。
具体的にどのような症状が起きるかというと、葉っぱが変色する、落葉する、などです。
原因は肥料の過不足が多く、不足した場合には葉っぱの色が薄くなります。
逆に多すぎた場合には、葉っぱばかりが生い茂り、花や実がつきにくいという症状が起きます。
以上、庭木&植物の病気の一部を紹介しました。
ガーデニングに興味がない方も、植物にはこんな変わった名前があるんだ、と興味を持っていただければと思います。
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