「ダンス教室」も風営法にひっかかる?~カラオケはOKなのになぜ?
ミュージシャン、プロデューサーのつんく♂が、ツイッターで日本の風営法の在り方、「ダンス規制」について疑問をなげかけたことが話題になりました。
これはいったいどういうことなんでしょうか?日本では夜中に踊る場所はなくなってしまったのでしょうか。
カラオケやライブハウスも規制の対象じゃないとおかしくなります。
3月23日、自身のツイッターを更新したつんく♂は「今更やけど、深夜に踊る所がない国って音楽文化の発展を相当妨げてると思う。
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カラオケは良いのに踊るのはダメとか意味わからない。犯罪とダンスを一緒にしてるよな。」と発信しました。
フォロワーからの声に応え「海外でカジノに入る時は100%IDチェックがあるので、 それと同じようにすべきであって、すべてを除外する必要はないよね」と持論を展開。近年の風営法による規制に苦言を呈しました。
現代の日本の音楽シーンにとってクラブはなくてはならないものです。
▲EDM全盛時代にどこでダンス・ミュージックを聴けというのか?
「無許可で客を踊らせた」罪で摘発される問題が「なんかおかしいんじゃないか!?」と問題になっています。
きっかけは2012年、無許可で営業をしたとして、風営法違反(無許可営業)容疑で、大阪市北区中崎西の「NOON(ヌーン)」が摘発され、オーナー、店長らが逮捕された事件です。
店は24時前には店を閉め、健全な運営をしたにも関わらず22時前に無許可で「客を踊らせていた」という理由で摘発されるという、なんとも納得のいかない事件でした。
店内に設備を設けて客を踊らせ、かつ飲食物を提供する店は、風営法が定める三号規定に該当し、営業するには各都道府県の公安委員会から許可が必要になるとのことです。
風営法では、飲食店で「客にダンスをさせる」ことを「風俗営業」と定めており、許可があっても営業時間は最長で午前1時までに制限されています。
つまり、許可がなければもちろん、許可を得ていても午前1時以降は「踊ってはいけない」、踊らせていた経営者側は摘発されてしまうことになります。
通常の飲食店では24時間の営業が可能ですが、そこに「踊ること」が加わると、営業時間が午前1時までに制限されてしまうのです。
トラブルの温床、という偏見がむけられているという事実
▲確かにちょっといかがわしいイメージがあるけど、それが良いんじゃないですか!
実際には無許可営業が多数を占めていたということで、多くの店が摘発の対象になってしまいます。
しかし「客が増えるのはそれ以降。未明に営業しないと経営が成り立たない」のは当たりまえですよね。
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これまでは近所から騒音などの苦情トラブルが入り警察が指導に入ることはあったものの、無許可でも黙認されており、摘発にいたることはなかったそうです。
ところが、2011年から状況が一変し、突如、摘発が強化されはじめたそうです。突然、警察が風営法を厳しく適用し出し、摘発を強化し始めたというのです。
摘発の理由はいずれも、「無許可で客にダンスをさせた罪(風営法違反)」が適用されています。
DJブースやミラーボールを設置した店舗が、「踊らせる意図をもっている」などと警察当局から警告をうけた事例も少なくないと言いますから、もはや摘発するために言いがかりをつけているとしか思えません。
こうした状況にいたった背景には、暴行や薬物売買などクラブで起こった事件の発生を受け、周辺の住民から摘発強化を求める声が警察に寄せられていることがあるということです。
でも本当にそんなことあるんでしょうか?映画やドラマの見すぎなんじゃないの?というくらい馬鹿げた理由な気がします。
要は「クラブは犯罪の温床」という決めつけたような見方があるせいでこんなことになっているのかもしれませんが、何でもかんでもはみ出したものを見つけたら押さえこもうとする風潮は恐ろしさすら感じます。
では警視庁が指摘している「踊ること」の問題点はいったいどこにあるのでしょうか?まず「騒音や酔っぱらい客が集まることに伴う近隣住民への迷惑」があるそうです。
これって別にクラブに限った話じゃないですよね?
居酒屋であろうが、カラオケであろうが、こういった飲酒トラブルはついてまわるものです。完全に偏見としか思えません。
また、「未成年者の出入り」が問題視されているということもあります。
実際に検挙されたクラブでも未成年者が多数入って飲酒していた実態があったということですが、これは店側に責任があることが否めません。IDチェックの必要性を感じますね。
また、店内外での傷害事件やトラブルも理由にあげられています。さらに不特定多数の男女が集まる場として、薬物の売買の現場にもなっているというのです。
なんと「ダンス教室」までもが「風営法」にあてはまるとして、ペアダンスを教える教室は、国が指定した団体が実施する講習を修了した指導者がいないと規制対象になるとのこと。
全く意味がわかりません。
超党派の国会議員が「ダンス文化推進議連」を結成したほか、坂本龍一らも運動開始
▲踊りたい、というよりは堅苦しい世の中になることの危惧が大きいです。
超党派の国会議員による「ダンス文化推進議連」(会長・小坂憲次元文部科学相)は、規制緩和を盛り込んだ風営法の改正原案をまとめ、今国会に改正案を提出する方針です。
また『踊ってはいけない国、日本』『踊ってはいけない国で、踊り続けるために 風営法問題と社会の変え方』といった書籍が発表されたりしました。
また「日本を踊れる国にすべき」と坂本龍一らが15万人署名をしたり、「踊る権利」を取り戻そうという動きが起こっています。
一般市民が自由に踊る権利にまで規制をしようという風潮は、今の世の中の窮屈さが象徴されているように思えます。少しくらいいい加減な方が楽しく生きられると思いませんか?
文・岡本貴之
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