完全な自給自足生活は日本で可能なのか?~人に依存せず生きてみる?
山の中に閉じこもって完全自給自足生活をしてみたい…そんな想いを抱いたことはありませんか?
筆者の実家は農家で、さまざまな食材を自給していました。以前、当サイトの別記事にも書きましたが、家だって祖父の自作。
そんな環境で暮らしてきましたので、完全な自給自足もできるんじゃないの?と思い、考えてみました。
しかし、そこには想像以上の困難が待ち構えていました。
まずは安定した水の確保~水道に頼らずに常に安全な水の入手は可能?
人が暮らしていく上で、まず確保しなければならないのが水です。
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そんなの蛇口をひねれば出てくるじゃない?と思われた方、それは大きな間違いです。
日本においてはほとんどの地域で水道が利用されています。当然水道使用量を支払って水を「買っている」わけです。これでは自給とは言えません。
ではどうすれば水を安定して自給することができるのでしょう?
かなりの田舎に住まれている方からすればその答えは意外と簡単に出てきます。それは井戸を掘ることです。
実は筆者の家は水道が通っていません。なので井戸水で生活をしています。
日本は比較的水が豊富な場所ですので大抵の場所で井戸を掘ることができます。
ドラマ「北の国から」で田中邦衛演じる主人公が自分で井戸を掘るシーンがありました。このように自力でも掘れないわけではありません。
完全自給自足を目指すのであればまず、水をしっかりと確保しましょう。
意外に難題?誰の力も借りずに米を作る
お米は田んぼがあれば簡単に作れるんでしょ?確かにそうなんですが、その田んぼを自分の力で作ることはできるのでしょうか?
いまどきの農家が比較的簡単に稲作をすることができるのは、しっかりと農業用水が管理されているからです。
個人である程度苗が育つまで決して水を切らさないように管理する…その水の量はとんでもないなものです。
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この管理が十分にできなければ稲は成長してくれません。
米は私たち日本人の主食ですので、失敗してしまうとその年は主食なしで生活しなければなりません。
また、害虫や稲病などの被害によって一瞬にして全滅してしまうというケースも決して珍しくありません。
一見すると簡単に見えるお米つくり…実は多くの課題をクリアしなければ完全な自給を達成することはできません。
米に比べればハードルは低いけれど…
続いて副菜の材料となる野菜について考えてみましょう。特殊なものを除けば、こちらは米よりもはるかに簡単に栽培することができます。
実際に小規模な家庭菜園などを作って楽しんでいる方も多いですのでそんなに気合いを入れる必要はありません。
ただ、問題となるのが保存です。当たり前ですが冬の間は大規模なハウス栽培でもしなければ野菜を手に入れることはできません。
これには広大な土地と多くの労働力が必要となります。一人きりですべてをこなすのは現実的ではないでしょう。
そうなれば、夏から秋に収穫された野菜をできるだけ長期にわたって保存することを考えなければなりません。
なので保存に強い、さつまいも、じゃがいもやごぼうといった野菜を多めに作らなければなりません。
また大根などの日持ちしない野菜は保存用に日干しなどの加工を施さなければ冬を超えることができないでしょう。
肉類はどうやって手に入れる?
水、米、野菜の確保は簡単ではありませんがある程度のめどはつきました。次は肉や魚といったタンパク源をどうやって手に入れるか…です。
真っ先に思いつくのが鶏や牛、豚などを食用に飼育してしまう、という方法でしょう。
しかし、米や野菜を確保するための農業をこなしながら同時に多くの動物を飼育するのはほぼ不可能でしょう。
もちろん、畜産と農業を両立させている農家もないわけではありませんが、大家族で運営していたり、法人化して人を雇っているというパターンがほとんどとなります。
そう考えるとやはり個人ですべてをまかなうのはほぼ不可能でしょう。
魚類に関しても同様です。趣味で釣りをする…という程度では必要なタンパク源としては不足してしまうのは明らかです。
だからといって本格的な漁をすることができる…なんて方はかなり限られています。
一人での自給自足は現実的にはやはり難しい?
こうしてじっくり考えてみると個人レベルで完全な自給自足生活を送るのはほぼ不可能であると言えるでしょう。
もともと、日本における食糧は集落などの地域レベルでおこなわれてきました。
資源の乏しいこの国ではそれぞれが役割を持ち、分け合うことでようやく生活することができたのです。
結局それは現代の社会の仕組みとほぼ同じことですよね。
あまり夢のない結論になってしまいましたが、結局は人は助け合わなければ生きていくことができない…これに尽きるようです。
もちろん、ちょっとした工夫で生活に必要なものの自給率を高めることはできます。
完璧を目指すのではなく、ちょっとした工夫を積み重ねながら生活を充実させるための自給を楽しんでみてはいかがでしょう?
Byチリペッパー眞木
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