こんな定期券もある!~往復が別コース・片道のみ・子どもの通勤?
近ごろは、鉄道会社やバス会社も工夫をこらしていて、いろんな定期券があります。
行きと帰りが別コースでもOKなもの、片道だけの一方通行のもの、ルートを決めない乗り放題のものなどなど。
だれが使ってもいいというものや、子ども用の「通勤定期」もあるんです。たかが定期券かもしれませんが、意外と奥が深いのです。
往復で別ルートを利用できるものがあります
私鉄と地下鉄の相互乗り入れが活発になってきたこともあり、目的地に向かうルートが複数あるケースが増えてきました。
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西武池袋線沿線の場合、たとえば石神井公園から永田町に通勤するには、おもに次の2つのコースがあります。
(1)石神井公園→池袋→(有楽町線)→永田町
(2)石神井公園→練馬→(西武有楽町線・有楽町線)→永田町
所要時間は大差なく料金もあまり違いはありません。どちらを選ぶかは購入する人の「好み」によります。
(1)には、帰りは池袋から「座れる」というメリットがあり、(2)には直通のため乗り換えなしで済むというメリットがあります。
そこで、両方の利点を活かせるように、どちらも使えてしまうという定期券が登場したのです。
料金は、通常の定期よりも1ヶ月当たり2000円前後高くなります。
西武新宿線の場合には、高田馬場でJRに乗り換えるルートと、新宿駅で乗り換えるルートの両方を使えるものがあります。
新宿・歌舞伎町で飲んだあとは、座って帰れるというのがいいですね。
「1学期」どこでも乗り放題のバス通学用
バスの定期は各社いろんなものがあります。学生の場合「夏休み」がありますので、8月はあまり使わないという人が少なくありません。
4月から9月までの6ヶ月定期を買っても、そのうちひと月は乗らないのはもったいないけれど、1ヶ月単位で購入すると割高になる。
ということで、「学期」単位の定期券を販売するバス会社もあります。
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西武バスの「学トク」定期の場合、その学期のあいだは通学ルートとは関係なくすべてのバスが乗り放題となります。
料金も、たとえば「1学期定期」の場合、4月~8月までの5か月間の定期が、4か月分の定期代とほぼ同じですので、夏休みはほぼタダで乗れることになります。
夏休みにあちこち遊びに出かけるのにも使えて便利です。
都バスの定期は、どこでも乗り放題! 1万円ポッキリのもある?
東京都の都バスの場合、一定エリア内では利用区間の指定がありません。たとえば、23区内であれば、どこから乗ってどこで降りてもOKの乗り放題です。
フリーカードという名称で、通勤用の場合には誰が使っても構いません。家族や会社の同僚で使いまわしができるのです。(使う路線を指定するものもあります)
料金は通勤定期の場合で、1ヶ月9,000円、3ヶ月25,650円です。乗り放題定期は、私鉄のバス会社の中にも発売しているところがあります。
なお、都バスの定期には、「1ヶ月+5日」という珍しい期間の定期もあります。「5日」には大した意味はなく、料金が「1万円」ポッキリという買いやすさから作られたものです。
だれが使ってもどこで乗ってもかまわない!?
ふつう、定期券は特定の一人が使用するものですが、会社によってはだれが使ってもよい定期を販売しているところもあります。
都営地下鉄や東京メトロでは、「全線定期」を買うと、だれがどのルートで乗るのもOKです。
都営は1ヶ月14,790円、東京メトロは、1ヶ月16,820円と、ふつうの通勤定期に比べるとやや高めですが、会社などで使いまわすのには便利でしょう。
片道だけの通学定期券
地方都市には、片道だけの定期券というものがあります。朝は父親に送ってもらうとか、帰りは迎えに来てもらう、という生活をしている人がいるからでしょう。
たとえば、茨城の関東鉄道では、「行きだけ」「帰りだけ」のバス通学定期を販売しています。
料金はおおむね半額です。この会社には「4月6日~7月21日」というような端日数の定期もあります。長期休暇中にはバスを利用しない人のためのものです。
子ども用の「通勤定期」もあります
もともと通勤定期券が発売されるようになったころには、購入するには勤務先による証明が必要でしたが、1966年以降に不要になりました。
それで仕事で使用するかどうかとは関係なく、どんな経路も買えるようになりました。
ダンス教室に通うための定期券も「通勤」として購入するのです。
一方、通学用では学校の証明が必要です。そのため、塾などに通う子どもが購入する際には「通学」は利用できず「通勤」を利用することになります。
そのため、どこの会社にも子ども用の「通勤定期」が存在しているのです。
日本の定期券は世界一!
「定期券」というシステムは世界のどこにでもあるものではないらしく、日本の定期券は世界一発達したシステムだそうです。
SUICAやPASMOなど買い物にも利用できるカードも珍しいです。
参考記事:電子マネーを賢く使って消費税アップ分をカバーしよう!
アメリカでは、都市や交通機関によって定期券があるところとないところがあります。
たとえばワシントンDCには週単位のパスしかありません。
韓国、香港、台湾などにも定期券はありますが1か月単位で、日本のように長期のものはないようです。
イギリスには、トラベルカードというものがあって日本に似たシステムとなっています。
by 水の
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