地域密着型のローカルなお店はなぜお客が来なくてもつぶれないのか?
昔からある、地域に密着している靴屋や、判子屋などのローカルなお店。「お客さんがあまり来ないのに、どうしてつぶれないんだろう?」と、あなたは疑問に思ったことはないですか?
それは、来店しない大切なお得意さんをかかえているからなのです。
店舗の維持費はどうなっているんでしょう?
お店の経営でかかる経費は、人件費や光熱費、仕入れなどがありますが、昔から営業しているお店ではあまり問題になりません。
店番はひとりで十分なので、人を雇う必要はありません。それほど仕入れにも積極的ではありません。
毎月かかるとすれば、家賃と光熱費くらいのものでしょう。
何がメイン商品なの?というお店もあります
うちの近所の靴屋さんは、傘のような日用品からタバコ、宝くじまで売っています。
ちょっと前までは、靴のみを売っていたのですが、いつの間にか種類が増えていました。
お店もそれほど狭くはありませんし、交通量の多い道路に面して建っています。嗜好品は、売れやすいから取り入れたのでしょうか?
築何十年だろう?と思える判子屋
判子は、銀行口座を作るときに必ず必要になるので、持っていない人は少ないでしょう。
三文判なら、買い物に行ったついでに、大型のショッピングセンターに入っている判子屋や、本屋などで購入する人が多いです。
しかし、珍しい苗字の場合は注文して作ってもらわなければなりません。
すぐに買えるものではないので、近所の老舗の判子屋で作ってもらうことにしました。狭い路地のような場所にあり、建物もこぢんまりとしています。
かなり歴史のあるたたずまいです。入るのに勇気がいりましたが、思い切って中に入りました。
店内は、営業年数の積み重ねなのか、決して広くない空間に、たくさんの判子と、その他のものが、乱雑においてありました。
店の奥には、居間が丸見えになっています。出てきた年配の男性は、肌着にステテコのまま。接客としてあり得ない姿です。
既製品ではない苗字なので、値段は高くなってしまいましたが、出来上がってきた印鑑は、(当たり前ですが)普通のものでした。
印象としては、生活のついでにお店をやっているような感じでした。
何年経ってもつぶれない靴屋。その地域密着ならでは理由
わたしも、どうして上に紹介したような店舗が、何年も店を閉めることなく営業していけるのか、不思議でなりませんでした。
どちらのお店も近所にあったので、近くを通ることは頻繁にありましたが、1度もお客さんがいるところを見たことがありません。
ある日、知人が教えてくれました。かなり大口の顧客がいるんだと。話をよく聞いてみると、靴屋の場合は、学校からの売り上げが1年のほとんどを占めているようです。
上履きはもちろんですが、部活で使用する靴も、1年生の時には、最初はみんな、同じ物を買います。1校だけでは、1年間は無理かもしれませんが、複数校のお得意様を持っていれば、来店客数が0でも、営業していけるのがうなづけます。
学生のころは自分でお金を払っていないので記憶はあまりありませんが、定価か、それに近い金額で購入していたのかもしれません。
老舗の判子屋にはこんなお得意様がいた
都会だと、どうなのかわかりませんが、わたしが住んでいるような田舎は、横の繋がりが強いので、ひいきにしているお店は、必ずどこの企業にもあります。判子屋も例外ではありません。
長く営業していれば、付き合いもたくさんあります。昔からある田舎の会社は、経費削減という理由だけで取引先を変えるということは難しいのです。なので、わたしが足を踏み入れた店も、たくさんのお得意様がいるようでした。
毎年入社する社員の、会社用三文判。ほかには、ダメになったゴム印も、小さな店舗だと、十分な収入になっていたのかもしれません。
店番はどこのお店も年配の人が多い
わたしが見たお店は、どちらも年配の男性が店番をしていました。多分、年齢的には年金をもらっているような歳です。
人件費の問題、仕入れの問題がなければ、光熱費がかかったとしても、店の収入に+アルファで、生活していくのは困らないのでしょう。
表からは見えない顧客があることを知らないで、あんな店でも営業できるなら自分にもできるはず!と、自営業をはじめる人がたまにいますが、大半がうまく行かずに、知らない間に貸店舗になっています。
もしかしたら目玉商品があるかもしれません
判子屋では無理ですが、靴屋の場合、珍しい商品が売れ残っている可能性があります。例えば、何年も経ったNikeの新品スニーカーがあったら、欲しかった人は、すごく喜ぶでしょう。
わたし自身はマニアではないので探したことはありませんが、実際に見つけたことがある人もいます。もし、欲しいものがあるなら、老舗の町の靴屋で探してみるのもいいかもしれませんね。
余談ですが、オモチャ屋でもこの手は使えます。
高値がついているオモチャが、普通に定価で売っていたり、品薄のゲームソフトがあったりと、わたしは子供のころ、実際にこの手法でドラクエを手に入れています。
あなたもぜひ試してみてください。