ポジティブ過ぎる人はアブナイ?~もしかしてポリアンナ症候群かも
ポジティブに生きるのはよいことなのですが、中には「前向き過ぎてコワい」人もいます。
レストランで食事中に、料理の中に虫が入っていることに気がつくと、普通は「ギョッ」となるものです。
でも、超ポジティブな人の場合、「ヤッター! クレームつければランチがタダになる!」と喜んでしまいます。
虫が入った料理を食べてしまったという「悲惨な事件」は忘れて、「タダメシ」を嬉しがるのは、一般的には異常な行動です。
心理学的には、こういうタイプの人を「ポリアンナ症候群」と呼んでいます。あなたの周りにも、そんな人いませんか?
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砂漠でコップ一杯の水しかなくても、「まだ水がある」と何もしない人
ポリアンナ症候群にはこんな人がいます。
・一度パチンコで20万円勝ったことがあり、毎日5万円負けつづけて財布の中が空っぽになっているのに、「大丈夫、すぐに取り返せるから」とやめない
・自動車のガソリンが無くなりかけて赤ランプが点いているのに、「まだ走れるから大丈夫」と給油しようとしない
・就活が全然うまくいっていないのに、「日本には200万社も会社があるんだから」というだけで応募しようとしない
・営業の締め切りまであと1週間で実績「0」なのに、「一発大逆転」に期待してサボってばかりいる
小説の主人公の生き方から生まれた言葉です
アメリカの小説家エレナ・ホグマン・ポーターが1913年に発表した子ども向けの小説「Pollyanna」(少女ポリアンナ/少女パレアナとも訳されます)に由来してつけられた症状名です。
主人公が超前向きな少女だったことから、ポジティブすぎて問題のある精神状態を「ポリアンナ症候群」と呼ぶようになりました。
また、否定的・悲観的な言葉よりも肯定的・楽天的な言葉の方が、人の心を動かしやすいことから、「ポジティブ思考」による影響のことを「ポリアンナ効果」と呼びます。
マスマーケティングでは、否定的評価よりも肯定的な評価の方が集まりやすいと言われますが、それが「ポリアンナ効果」です。
「顧客満足度90%!」というようなアンケート結果は、ポリアンナ効果の影響を受けて、良い結果が出ている可能性があります。
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ポリアンナはフジテレビのアニメになっています
「Pollyanna」(少女ポリアンナ)は、80年代にフジテレビ系で「愛少女ポリアンナ物語(ストーリー)」としてアニメ化されています。
父親を亡くして孤児となった少女ポリアンナが、不幸にもめげずに頑張って生きていく姿を描いた作品です。
牧師だった父の遺言に従い、どんなに苦しいときでも「よかった探し」をする主人公の姿が、けなげで愛らしい物語となっています。
ポリアンナが逆境の中を「超ポジティブな楽天主義」で生きていく姿は大きな感動を呼びました。
小説・アニメともに、ポジティブな生き方の良さを描いたものですが、心理学的な用語としての「ポリアンナ症候群」はネガティブなものです。
良い部分にしか目がいかず、厳しい状況を理解しようとしない
ポリアンナ症候群は、物事の良い面にしか注目できず、悪い面や悲惨な面には目をつぶってしまう傾向の人をさします。
直面する問題を解決しなければならないのに、もっと悪い状況を想像して、「それよりは、ずっとマシ」と考えてしまう人です。
上司がポリアンナ症候群だと社員はクタクタ
上司がポリアンナ症候群だと、部下はとても厳しい仕事をさせれられます。
社員を連日深夜まで残業させても業務がまわらないときに、「大丈夫だよ。まだ土日があるから」と楽天的に休日出勤を命じます。
「僕は家庭の事情で出社できないけど、いない方が君たちも仕事がしやすいだろ? こう見えても気をつかってるんだよ。いい上司に恵まれたな」などと恩を売ったりします。
過労が原因で部下が転職してしまっても、「マッチした会社が見つかって良かったな」と自己批判をしません。
おまけに「次の会社でも僕みたいな厳しい上司に巡り合って、勉強できるといいな」と励ましたりもします。
「ハンカチ王子」も疑われた!?
かつて「ハンカチ王子」として甲子園を沸かせたことのある日本ハムの斎藤佑樹投手。メジャーリーグ・ヤンキースに移籍した田中投手とは同期です。
参考記事:ヤンキース田中マー君を待ち受ける「文化の違い」の現実とは
甲子園の決勝で田中投手と投げ合い、延長15回でも勝負がつかず37年ぶりの再試合となり、翌日の試合で優勝投手となりました。
当時は、「ハンカチ王子」ばかりが注目されましたが、今では立場は大逆転。田中投手は日本を代表する、もしかすると大リーグを代表する投手になろうとしています。
一方の斎藤投手は肩の故障もあり二軍で調整中。2012年には、二軍の6試合で27失点と振るわず、アマチュアのJX-ENEOSとの練習試合でもノックアウトされたりしました。
それでもショックをみせず、「やりたいことをやった。いつ一軍に呼ばれてもいい準備をしたい」と語り周囲のひんしゅくを買いました。
この時に、「斎藤投手はポリアンナ症候群ではないか?」と騒がれたのです。
「過去の成功体験が大きすぎて、自己流を貫けばいつかは報われると思い込んでいる」と批判されたりもしました。
斎藤投手が努力を怠っているということはないでしょうけれど、応援してくれている周りの人に対しての配慮が足りなかったのかも知れません。
ネガティブな思考にとりつかれてどんどん落ち込んでしまうのはよくありませんが、まったく問題と向き合わないのも大きな問題です。
自分の「現実逃避」に目を向けず、時にはそれが周囲を巻き込んでしまっていることにも気づかないと、迷惑をかけることになってしまいます。
下手をすると「裸の王様」になってしまいますので、気をつけましょう。
by 水の
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