出会い系のサクラって意外に真面目なところもあります。
サクラの仕事は出会いを求める男女の理想像となりユーザーとメールをすることです。「こんな人たちさえいなければもっと素敵な人と出会えるのに!」「最低!」「最悪!」「詐欺!」
サクラは一般的にはこんな風に捉えられていますし、実際私も自分が就業するまでサクラに対してあまりいいイメージを持っていませんでした。
しかし私の上司はサクラの仕事をいつも「これは需要と供給だ、芸能人と同じで夢を見させるもので俺たちは凄くいい仕事をしてるんだ」と言っており、私を含め多くのオペレーターは「あいつはなんて酷い男なんだ」とよく陰口を叩いたものです。
空想とエンターテイメントの世界へご案内
しかし実際に自分がマネージャーとしてサイトを担当することになったとき、この上司の言っていた意味を心から理解することができました。
出会い系を利用する男性の目的は可愛い女の子とタダで楽しみたいというのがほとんどですから、この欲求を実に素直に表現してきます。
一通目のメールでえげつない卑猥なメールなんて書いてくるのは当たり前、性器写真の添付、「チュウして~」とおじさんが自分の唇と舌のドアップの写真を送ってきたりもします。
このようなメールを一般女性が受け取ったらジ・エンドですから、その夢を壊さないようにサクラが空想とエンターテイメントの世界に連れて行ってあげる必要があるのです。
出会い系女性ユーザーの目的は?一方的なメールにトホホ・・・
そして出会い系を利用する女性の目的はなんといってもお金。
「借金があって困ってるから援助して!」と嘘をつき、「500万円頂戴!」「1000万円支援して!」なんていうことを本気でメールしてくるので、やはりここでもサクラに大きな需要が出てくるんですね。
また驚くのが男女とも「○日の○時に○○で待ってるから!」となんとも一方的なメールを送ってきて後はこっちのメールを一切無視し、待ちぼうけをくらえば「あんたのとこのサイトはサクラばっかりじゃないか!」とサポートセンターに抗議の連絡をしてきます。
全く知らない男女が会うのにこんな一方的なメールで会えるわけないじゃないか…といつもとほほと思いながら、やっぱり出会い系にサクラは必要だよなあとつくづく感じました。
休日は月に1日!長時間労働に励んでます
出会い系のサクラというとどんなイメージがありますか?怪しい、怖そう、危ない、裏にヤクザ?などなどあると思いますが、誰一人としていいイメージを持っている人はいないでしょう。
上記に上げたイメージは何を隠そう私は抱いていたイメージであり、しまいには「ヤバいクスリでも売ってるんじゃないんだろうか…」なんていう変な想像までしていたほどです。
しかし私がサクラになってみて思ったのは世間で思われているイメージと異なり、とにかくみんな真面目に働いているということ。
もちろん休みがちでサボってばかりいる人もいますが、サイトを管轄するマネージャークラスになれば月に1~2回の休みだけで毎日12時間以上も働いてる人はザラにいるんですよ。
売り上げ管理に顧客管理、200人超のオペレーター管理まで
私がオペレーターと呼ばれるメール送信者だった頃は、毎日12時間黙々と画面に向かってタイピングをしていました。
が、ひょんなことからあるサイトのマネージャーとなってからは売上管理に顧客管理、またオペレーターの管理を一気に渡され、とてもじゃないけど12時間では仕事が終わりません。
というのも私がいたサクラの会社は10個以上のサイトを持ち、1つのサイトが20人近くのオペレーターを持つ大型会社。上層部はマネージャー同士に売り上げを競わせ、売り上げトップになったサイトには1人あたり月1~10万円の賞与が与えられていたのです。
ビジネス本を読みあさり日々研究!
従来の「ただメールを送りまくればいい」というサクラの手法に疑問を感じていた私は、インターネット、雑誌、新聞、新刊書、電車の吊革などにある広告を常にチェック、ビジネス書や自己啓発書も読みあさり、人目を引くキャッチコピーを研究し、仲間であるオペレーターと言葉の持つ力についてたくさんの話し合いの場を設けました。
すると私たちが担当していたサイトはみるみる売り上げが上がり、毎月4,000万円の売上を出すトップサイトへと成長し、毎月給与とは別に賞与を手に入れるようになったのです。
それ以降今までだらけていたオペレーター達も本を読むようになり、自らアイデアを出してくれるようになり、まるで普通の企業と変わらないチームワークさと真面目さを見せてくれるようになりました。