職務経歴書で採用担当者をうならせる自己PRの効果的な書き方
職務経歴書の各項目のなかで一番大切なのは「自己PR」。多くの採用担当者が、この欄に注目しています。
採用側をうならせるような内容が記載されているケースは滅多にないそうです。きれいにまとまった職歴書を提出してくる候補者でさえ「自己PR」はイマイチというケースが少なくありません。
書店には「職務経歴書の書き方」というようなタイトルの本がたくさんならんでいます。それらを手にとってながめてみても、残念ながら「自己PR」の書き方について踏み込んだ解説をしているものはほとんど見かけません。
そこで、人材ビジネスに長年携わってきた私の経験から、どう書くと「ウケ」がよくないのか、どうしたらよくなるかについて解説したいと思います。
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誰でも言えることを語っても意味がありません
たとえば「総合判断力に優れています」というような長所を書く人はとても大勢います。「○○に優れている」「○○に自信があります」「○○を有しています」といったものは、だれにでも書けてしまう内容です。たとえそんな能力がなくても書けるわけです。解説本の「見本」から抜き出してきたようも見えてしまいます。
採用担当者に対しては、あまりアピールにはならないのです。書いてはいけないというわけではありませんが効果は薄いでしょう。
「コミュニケーション能力が高い」と言われても信じられない!?
よく使われる表現として「コミュニケーション能力が高い」があります。採用側が募集要項などに「コミュニケーション能力」と打ち出していることも影響しているからでしょう。しかし、「高い」と書いてある書面を見て「なるほどこの人は高いのか」と感心する人はひとりもいないと言って良いでしょう。
「高い」と主張する人に「どんな点でそう感じるのですか?」と尋ねてみると、「友達がたくさんいる」「飲み会の幹事をよく頼まれる・引き受ける」などと返事が返ってくることが多いです。そもそも「コミュニケーション能力」というものを誤解しているようです。
「友達がたくさんいる」という人は珍しくもなんともありませんし、それは必ずしも仕事の能力と関係がありません。企業が求めているのは、仕事をスムーズに運営するための能力です。
「幹事を頼まれる」というのは「お人好し」「人に使われやすい」「軽んじられている」とも見られて、必ずしも長所とは受け取られません。
仕事の仕方を通じて自分をアピールするのもひとつの方法です
「仕事ができます」というよりも、具体的にどんな仕事の仕方をしてきたのか、「仕事ぶり」を表現すると説得力が生まれます。「〇〇ができます」というような抽象的な表現ではなく、経験を披露することが重要です。
「リーダーシップがある」というよりも、実際にそれを発揮した場面を語ると説得力がありますし、相手に親近感を持たせることもできます。職場での感動的な経験を話すとさらによいでしょう。
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仕事のことだけだと面白みがありません
仕事で身につけた能力やスキルを表現するというのは悪くはありません。職歴詳細の中で表現しきれなかったことを自己PRで訴えることには意味があります。ただ、それだけでは「人物」は伝わりません。
面接を有利にするために、自己PRでよい先入観を与えることが大切
採用側は能力の高い人を求めていますが、同時に「一緒に働ける人か」という観点からも人を評価しています。人物面はおもに面接で評価されるものですが、職歴書の段階で「人物」をアピールしておけば、面接で必ず有利に働きます。
人は先入観で相手を判断する傾向があります。書類上から受けたイメージを面接の場でも引きずります。そのために、あらかじめ性格的な長所を印象づけることが大切なのです。
どんな仕事をしてきたかとか、いかに能力の高い人間なのか、ということは「職歴概要」や「職歴詳細」部分で訴えますので、「自己PR」には「職歴」に表現できない自分の特質を表現すべきです。
人物や性格を訴えるには、過去の経験を使うのがベスト
自己PRに仕事のことだけ書いても人柄は伝えにくいものです。中には仕事上では大した実績もなくて「仕事ができる」と主張しにくい人や、成果や実績を伝えにくい職種の人もいるでしょう。
そうした場合には、自分のプライベートな経験を活用して性格面をアピールするのがベストです。過去の経験を振り返ってみて、悔しい思いをしたことや辛い体験、感動した思い出などから自分の長所として使える「ネタ」を探しましょう。
必ずしもよい経験である必要はありません。大失敗した経験であってもそこから自分が学んだことがらをポジティブに表現できれば「長所」になります。
必ずしも成功ネタである必要はありません
人間関係に失敗して傷ついたことや傷つけたことであっても、「それ以来こうしている」と言えれば「いまではうまくできる人になった」と伝えられます。
スポーツを一所懸命やったというような経験もうまく活用できます。野球部で甲子園を目指してがんばったけど、県大会の決勝で敗れて出場を逃したという経験など、悔しい体験ほど利用しやすいです。
「目標は達成できなかったけれど、一緒に泣ける仲間ができた」「力を合わせて頑張ることの意味に気がついた」などとまとめれば、チームワーク力のある人と認めてもらえます。
「自己PR」は、面接・採用側に自分という人間に好感を持たせるコーナーだと考えるべきでしょう。面接する前から、自分のキャラクターに好印象を持たせられれば面接もスムーズに運びます。結果として合格率をアップできることになります。
By 水の
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