統合失調症の治療は入院が必要なのかそれとも通院でいいのか
「統合失調症=入院」このような図式を思い浮かべる方は少なくないかもしれません。
しかし、近頃では医療制度の変更などの事情によって入院できる期間は短くなっています。
最近は病院へ通う形が主流
そのため、かつてのように「病院にすべて任せて一安心」というわけにはいかない時代となってきています。
現在では、在宅で治療をし定期的に通院するのが主流となっていますので、これをまずしっかりと理解しておくようにしましょう。
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自宅だけではなく適宜 職場・学校などに戻していきながらリハビリを行っていくことが大切となります。
入院という選択
通院なのか入院なのかということの最終決定は、医師が決めるものです。しかし、この際家族の要望にある程度は対応してくれることもあります。入院を決定するための条件とは何なのでしょうか?
・症状
症状があまりに重ければ、やはり入院となることが多いことでしょう。しかし軽い場合などには、通院の方向で検討されるのが一般的です。
・薬の管理
在宅できちんと薬を服用していくことができるのかどうか、家族の協力姿勢はどうなっているのか。このような点も考慮に含まれます。
・本人の立場
自宅で本人がどのような扱いを受けるのか、ケアはしっかりしてもらえるのか、このような点も大切な検討要素です。
この他、入院施設の空き・その病院の方針なども重要な基準となります。
当初から入院を希望している際には、きちんと入院設備を備えているところを選び、事前に見学などをしておくようにするといいでしょう。
病院によっては悲惨で非人間的な対応がまかりとおっているところもあるようですから・・・(もちろんごくごく少数派です)。
入院を避ける家族もいる
統合失調症の患者を抱えているご家族の中には、「入院」という制度にたいして強い抵抗を覚えている方も少なくはないようです。
たしかに、病院によっては内部がひどい状態になっていることもあるようで、入院だけは絶対に避けたいと思うこともあるようです。
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しかし、症状が重ければ重いほど入院の必要性は高まります。「かわいそう」だからといって、入れないと強引に拒む。これによって、回復までの道のりが長くなってしまうこともあるのです。
長期入院ばかりではない
統合失調症で病院に入ると、何年も入院生活が続くのでは?このように思っている方もいるかもしれません。もちろん、症状が強い場合にはそのような対処が必要となることもあるでしょう。
しかし、現在では入院期間は全体的に少なくなってきています。保険の点数の関係などによるものです。だいたい3か月程度が多いようです。
このような短期間の入院は、初期の重い症状を集中的に改善していくための重要なステップとなります。
一番ひどい時期に病院に入ってもらうことで、周辺住民や知人との軋轢を避けることもできるかもしれません。もちろん自傷他害も避けることができます。
このように考えていくと、強硬に入院を拒み続けるのは、やはり良策ではないでしょう。医師と相談をして、本当に必要なのであれば任せてみるという選択をすることも大切なのです。
上手に使っていくことで、家族自身の心の病を防いでいくこともできます。重要なステップの一つだと割り切るようにしましょう。
大きく分けて強制と任意があります
統合失調症が重症化している場合には、即入院というケースが珍しくはありません。それだけ重篤な症状を伴う病気だということです。
できるだけ本人の意思で入院という選択肢を決定することが望ましいのですが、すでに陽性症状が出ている場合などにはうまくいかないことも珍しくはありません。
そのような際には、法律の根拠に基づいた強制入院という形式を選択していかざるを得ません。このようにしなければ、家族も患者自身も傷つけてしまう場合があるからです。
強制入院の種類
さらに強制入院は、以下の4つの種類に分けることができます。
・措置入院
「著しく自傷他害の恐れ」がある場合に実施される強制入院です。都道府県知事や政令指定都市市長の命令により、保護者の同意なくして入院させることができます。
・緊急措置入院
措置入院が必要な場合で特に緊急性を要する場合に用いられる方法で、72時間に限って入院をさせることができます。
・医療保護入院
保護者の同意の元、強制的に入院をさせる方法です。措置入院ほど重くない場合に使われます。
・応急保護入院
ただちに入院の必要性があるのに、身元が分からないなどの理由で保護者等の同意が得られない場合に実施されます。医療機関側が命令・決定をするタイプの強制入院です。ただし72時間しか入院をさせることができません。
それぞれのケースごとに、どのような方法を取ることができるかは変わってきます。まずは強制入院という選択肢もあるんだ、ということを知っておくようにしましょう。
詳しくは保健師や市役所、病院などと相談しながら話を進めていくようにしましょう。
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