見逃さないで!統合失調症の発症初期に見られるサインとは?
統合失調症の発症初期に見られる行動について確認してみましょう。
この病気は、他の病気のように突然症状が出てくるような性質の病気ではありません。
周囲からすると「違和感」が少しずつ芽生え、やがて明らかに異常だと確信するに至るのです。
特徴的なのは、常に一緒に暮らしているような家族であっても、発症したということが判断できない、気づかないということ。
よく「なんで一緒に暮らしていたのに気づかなかったんだ」と家族を責めるような声を見かけますが、それを求めるのは無理なことでもあります。
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突然襲ってくる病気ではない
統合失調症の異常は少しずつあらわれて、目に見える症状としても実にゆっくりと変わっていきます。
ですから、「なぜ」「どうして」と言った非難を向けるのはやめるようにしましょう。
初めのシグナルは妄想や幻聴
とはいえ、症状の始まりにはある程度の特徴・共通点が存在しているのも事実。
発症の初期には、陽性症状と呼ばれる特徴的な状態が見られます。
妄想や幻聴などが特徴的でしょう。これがはっきりとみて取れるようになった時期を「急性期」と呼びます。
この時期を過ぎると消耗期と呼ばれる「社会的に孤立を深める時期」がやってきます。
できるだけ急性期の段階で気づいてあげて、的確なサポート体制を組みあげるようにしたいものです。
そのためには、どのような症状がこの病気の特徴なのかということをしっかりと知っておく必要があります。
個人差が存在するのは事実ですが、ある程度の共通項は存在していますので不可能ではありません。
参考記事:統合失調症でもっとも多い症状である幻聴と幻覚の分類及び特徴
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二種類の対極的な病状
早い段階で周囲が気づくためには、統合失調症に特徴的な症状を把握しておくことが肝要となります。
この病気には二種類の対極的な病状が存在します。
一つが、感情がなくなったり、抑うつ状態などが現れたり、論理的に話ができなくなったりというような陰性の症状。
消極的になってしまう性質のものと考えると分かりやすいかもしれません。
これに対して幻聴が聞こえてきたり、揺らぐことのない妄想を抱いてしまったり・・・このような積極的な症状のことを陽性症状と呼びます。
気づきのきっかけとなりやすい陽性症状
病気が本格的に発症すると、陰性と陽性の病状は同時に出てくると考えられています。しかし、周囲にとって分かりやすいのは陽性のもの。
明らかに目に見て取れるような異常行動を確認することができるからです。
陰性のものについては、うつ病などの他の病状と勘違いしてしまうことも多いようです。
妄想や幻聴の他にも、異常に興奮をして暴力的になったり、人を信じなくなって懐疑的な態度を表明したり、会話がまったくかみ合わなくなったり・・・このような異常が確認されることがあります。
重要な点は、これらが患者さんにとっては「異常」とは感じられないという点です。
たとえば、様々な妄想を膨らませることは誰にでもあることです。現実にぶち当たるとその妄想は修正せざるを得ません。
ですが、統合失調症患者の場合には決して修正されることはなく、妄想の世界はリアルそのものとなるのです。
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