統合失調症でもっとも多い症状である幻聴と幻覚の分類及び特徴
統合失調症の初期には、妄想や幻覚などの陽性症状が出ると言われています。
幻覚につきましては、医学的には様々な分類が存在しています。
本当は存在していないのに五感が誤作動してしまう、これが幻覚の一般的な説明です。
幻覚の種類と医学的分類
・視覚の異常⇒幻視
本来は存在しないものがあたかも目の前にいるように見える症状です。おばけの正体は幻視によるものではないかと言われることもあります。
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統合失調症の場合には、ほとんど見られない症状です。
・触覚の異常⇒幻触
誰も触っていないのになんだか触られているような症状が出ることです。
ムズムズ脚症候群などが典型的な原因だと言われています。
具体的には、ゴキブリなどが這い回っているような感覚を覚える感じ。
何もないはずのところでクモの巣にひっかかったような感じを覚える感じです。
・味覚の異常⇒幻味
何も食べていないのに味を感じるようなケースです。
・嗅覚の異常⇒幻臭
実際には臭くないのに、異常に臭さを感じてしまうようなケースです。
統合失調症の患者さんの中には、強い「自臭症」を訴える方もいるようです。
・聴覚の異常⇒幻聴
統合失調症で最も多いものです。特に、聞こえるはずのない声が聞こえてくるようなケースが多いようです。
気のせいだろうと考えることはなく、患者さん本人にとってはリアルな声そのものとして認識されるのが特徴です。
たとえば壁の向こうから誰かが文句を言っているような感じを覚えたり、脳内で自分が語りかけてきたり・・・それに対応して独り言をぶつぶつ言うようなケースも多いようです。
統合失調症を判断するための重要な要素となることでしょう。
幻聴の特徴
統合失調症の初期には、幻聴の症状が頻繁に見受けられます。
参考記事:見逃さないで!統合失調症の発症初期に見られるサインとは?
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もしもこの症状を起こしていたら、疑ってかかって精神病院に連れていくなどの措置が必要となるかもしれないわけです。
さて、幻聴にも様々な種類があります。本人にとっては「リアルの音」として聞こえてくるのですが、周囲には聞こえない。
本人の口から周囲に症状が訴えられることはあまりありません。聞こえてくるのは、別に異常なことではないのです。
しかし、何らかの兆候を発見することもできます。そのため、一応幻聴の症状の特徴を知っておくようにしましょう。
・あるはずのない声に対して反応する
たとえば「隣の家で自分の悪口を言っている」と怒り出す場合は分かりやすいかもしれません。
・独り言
脳内の声に対して反応を示して、一人でぶつぶつと語りかけるような場合もあります。思春期にありがちな症状ではありますが、あまりに過剰な場合には幻聴がないかどうか確認してみるといいでしょう。
・空笑
にやりと笑うような状態のことです。脳内で聞こえてきている声に反応して笑うというようなケースが多いようです。
・壁などを殴る
突然壁を殴りだしたような場合、もしかすると壁の向こうから自分を否定する声が聞こえてきているのかもしれません。被害妄想的な内容が聞こえてくることが多いと言われているのです。
このような声を聞きたくないあまり、音楽を聞き続けるような行動をとる方もいるようです。
以上のような兆候には要注意です。
患者が症状を訴えることがほとんどない理由
統合失調症患者さんの初期によく見られる症状、それは幻聴をはじめとする幻覚です。
しかし、そのような症状があることを外部に訴えることはほとんどありません。
これはどういった理由によるのでしょうか?大きく分けて二つの理由があると言われています。
・第一の理由
被害妄想と幻覚の内容が連動しているということ。
統合失調症の患者さんは、自分が責められているような妄想を抱くことが多いと言われています。
そのため、幻聴なども被害的なものとなることが多いと言われています。
たとえば幻聴ですと、自分を否定・罵倒するような内容の声が聞こえてくることとなります。
幻臭の場合も同様で、自分がクサイと言った被害妄想的なことを感じるようになるわけです。
さて、統合失調症となってしまうのは多くが思春期・青年期の若い方。
そのような方は、自分が責められているということを周囲にはなるべく表明したがらないものです。
「自分がクサイ」と親に言いたいでしょうか?そうではないですよね。
・第二の理由
患者さん本人にとっては幻覚がはっきりとしたものとして認知されるということ。
幻聴の場合、あまりに明瞭に聞こえてくるものですから、別に「幻聴」だとは認識しないわけです。
そのようなことが聞こえてくることに対しても、別に不思議には思いません。
この病気は、自分で自分自身が異常だと気付かない点におそろしさがあります。
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