統合失調症を認めたくないという心の葛藤と早期治療の必要性
「心の病」が相当一般的になってきた現代社会ですが、それでも精神病というものに対する抵抗は強いようです。
ですから、何か異常があってもなかなか受診という選択肢を選ぼうとしない傾向にあるようです。
こちらでは統合失調症の早期治療についてお話してみたいと思います。
病院に連れていくのは基本的に両親
若い方が罹患してしまうことが多い統合失調症。
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症状から言って、まず自分で異常に気付いて通院することはありません。
病院に連れていくのは基本的には両親のいずれかとなります。
しかし、多くの場合にはわが子に限ってそんなことはないだろう、と思ってしまうようです。
100人に1人がかかると言われている一般的な病であるにも関わらず、まだまだ偏見や知識不足が多いのかもしれません。
病院に行こうと決心するまで1年2ヶ月
兆候が最初に出てから、実際に精神科にかかるまでの期間は、平均1年2か月程度だと言われています。
早い場合には一週間程度で受診しているのですが、前述のような事情があるため、どうしても平均的には遅れがちとなっているのです。
受診を遅らせるやっかいな問題。
それは統合失調症の初期症状は、「社会的な問題」を引き起こすことが多く、そちらの方に目が行ってしまうということです。
学校に突然行かなくなった、家族に暴力をふるうようになった…不登校・いじめ・DVという言葉がマスコミで大きく取り上げられている現在、このような状況が起きてもすぐには何かの精神疾患だとは思わないのが一般的なのです。
社会的に問題のある行為を起こせば必ず統合失調症というわけではないのはもちろんですが、一部にはそういう可能性もあるんだということはしっかり把握しておくようにしたいものです。
ありがちな失敗とは
統合失調症の症状が出てきた際には、家族の多くは「励まし」や「否定」「叱咤」などの対応を取るようです。
確かに、一見すると様子のおかしいことを話していたり、変な行動をとったり、怠けているようにみえたりすることでしょう。
しかし、当の本人にとっては別に「異常」なことではなく「当たり前」のこと。
ただでさえ被害妄想が伴いがちな病気なのに、そこに叱咤激励などが加わるとさらに人間不信となってしまうことでしょう。
病気の発見が遅れて治療が遅くなれば遅くなるほど、家族と患者さんとのゴタゴタは強くなっていってしまいます。
最終的には家族崩壊へと発展してしまったケースも決して珍しくはありません。まずできることは、早めの受診・治療を開始すること。
一般的に言われているような「民間療法」などを信用しては逆効果となってしまうこともあるのだ、ということをしっかりと肝に銘じておくようにしたいものです。
早期社会復帰のためには早めの受診を
最近の研究結果では、治療していない期間が短ければ短いほど(発見が早ければ早いほど)、回復が早く確実なものとなるということが明らかとなってきています。
ちなみに、この期間のことをDUP(精神病未治療期間)と呼びます。
必要な薬の量も少なくなりますし、その分副作用などのリスクも低下します。
最終的に安定期にさしかかった際に自立生活を営むことができる可能性も増える。
家族との関係を維持して、早期に社会復帰を果たすためにも、はやめの受診が望ましいということです。
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