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統合失調症の措置入院と家族の深刻な心の葛藤

2013.12.20

統合失調症の措置入院と家族の深刻な心の葛藤 はコメントを受け付けていません

家族の同意すらなしに、警察官の手によって病院に連行することができる措置入院という制度があります。

非常に強力ではありますが、統合失調症の家族・患者双方にとって非常に大きな心の傷となってしまいます。

ですから、できる限りは説得によって任意に病院に連れていくようにしたいものです。

生命を守るためにやむを得ない処置

しかし、自傷他害のおそれがあるような状態になった場合には、すぐさま通報をするようにしておくべきです。

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さもなければ、自殺をして命を落としてしまいかねませんし、逆に誰かを殺してしまうことすらあるかもしれません。

このような状態になることはレアケースですが、急性期には周囲が抑えることができないほど暴れることもあるのです。

警察官が対応できないケースも

措置入院をさせるためには、現場に駆け付けた警察官が「自傷他害のおそれ」があるということを認めなければなりません。

もしも必要ないと判断した場合には、そのまま何もしてくれない可能性も十分あるのです。

場合によっては警察が来た途端におとなしくなったり、とぼけたりするようなケースも見受けられるようです。

このような場合にどう対処すればいいのでしょうか?録音・録画などは一つの有効な手段でしょう。

あらかじめ近所の交番などに対して相談をしておいて、事前の理解を取り付けておくのも有効ではあります。

なにやら家族を「売る」ようで抵抗が強いかもしれません。しかし、最終的には家族・本人双方のためになることなのです。

生命・身体を守るためにも、最後の手段を使う覚悟は持っておきましょう。

病院に連れて行った後の家族の心の葛藤

強制的に統合失調症の患者さんを病院に連れていった場合、家族は大きな自責の念を抱えることとなります。

数年経っても病院に着いたと悟った時のあの表情が忘れられない、と苦悩と吐露する家族も少なくはありません。

それを考えると、やはり無理やり連れて行かない方がいいのでは?と躊躇してしまう方もいるかもしれません。

しかし、治療をしなければ症状は悪化の一途をたどり、一生自立した生活ができない状態になってしまう可能性もあります。

ごくまれにではありますが、自傷他傷行為をしてしまうことも。このようなことを考えますと、やはり公的な制度の充実が期待されます。

移送制度が十分に機能していない現状の改革が望まれます。

参考記事:統合失調症患者を強制入院させるために創設された移送制度とは

患者の家族への恨み

家族からだまされて無理やり病院に入院させられた。この経験は、患者さん本人に対しても深い心の傷を与えてしまいます。

一生家族を恨み続けると暴言を吐いてしまう方も少なくはないようです。

症状が治まって客観的に物事をとらえることができるようになれば、冷静に振り返って家族と和解することもできます。

やはり早期に治療を開始して、正常な判断能力を取り戻してもらうのがベスト。

つらいかもしれませんが、家族の方はどうにかして治療を受けさせるように努力をしていくようにしましょう。

ちなみに、公的な移送制度の利用者は年間わずか200件ほどですが、医療保護入院による強制入院は毎年20万人ほど。

すべてが統合失調症患者さんというわけではありませんが、苦しみを抱えている家族はこれほどまでに多いのです。

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