統合失調症の最先端治療である認知機能リハビリテーションとは?
認知機能とは、集中力・物事に対する判断を行う能力・記憶力などの総称です。統合失調症になってしまいますと、このような機能が低下してしまうことが知られています。
認知機能障害が起きますとこれまで送ってきた普通の生活を以前と同じように過ごすことができなくなってしまいます。薬だけでは100%元に戻すことができないですし、従来の心裡社会的療法でも改善は困難と言われていました。
参考記事:統合失調症患者の心理社会的療法SST(社会生活技能訓練)とは?
そんななか、最近注目を集めている最先端治療について紹介してみたいと思います。
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実際のトレーニング法とは
近年では認知機能を改善することができる方法が登場して、大きな期待と注目がよせられています。それが「認知機能リハビリテーション」と呼ばれるものです。詳しい説明をすると長くなってしまいますので、簡単にポイントを紹介しましょう。
・パソコンによるゲームトレーニング
少し前に流行った「脳トレ」ようなイメージを持ってもらうと分かりやすいでしょう。問題を繰り返し行うことで、認知機能を徐々に復活させていくことができます。
・グループミーティング
ゲームがうまくいかなった理由などを分析して、どうやっていけばいいのかということを集団で話し合って発見していきます。
上記の2点を組み合わせることで、徐々に機能を改善していくのです。この方法はまだまだ研究段階にあるものですが、1年近く経った後にもトレーニングの効果が確認できています。
まだまだメカニズムやノウハウが固まっていない新しい方法ですが、これからの統合失調症治療のメインとなっていくことは間違いないでしょう。従来の方法や薬と適切に組み合わせていくことで、自立がより確実なものとなっていくかもしれません。
リハビリの注意点
あまり飛ばしてリハビリを行ってしまうと、再発を招いてしまうこともあります。本人が復職・復学したいと言いだしたので、大丈夫だろうと判断して戻したところ、再発してまた悪化してしまった。このようなケースも十分に考えられるのです。
順調に復職している人もいますが、その人も一歩ずつステップを上がっていっているのです。少しずつすこしずつ、一歩を大切にしていきながらリハビリを行っていくようにしましょう。
参考記事:統合失調症患者を自立させるために知っておきたい大切なこと
家庭内でのリハビリも大切ですが、社会の中でコミュニケーションを取りながら復帰していくことも大切です。また、病院で心裡社会的治療と呼ばれるリハビリプログラムを受けることも、認知機能改善のためには不可欠な手順です。
完全回復はできないといわれている統合失調症ですが、そのことを前提に、ゆっくりと社会に戻っていくことを目指していきましょう。
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