クラシックカメラが愛好家をとりこにする理由~デジカメ時代になぜ?
クラシックカメラ(アンティークカメラ)というと、ほとんどの人にとっては『インテリア』というイメージがあるかも知れません。
しかし、実はまだ現役で使えるものが意外と多くあるのです。
長いものだと40年前というものもあるのですが、そのような『骨董品』のカメラが使えるのはなぜなのか。
ここではその理由と、愛好家の方がクラシックカメラにはまる理由を紹介します。
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古いカメラが今でも使えるのはなぜか
■自分で分解して修理することができる
今のデジカメを自分で分解して修理できるという人は、まずいないと思います。
その道のプロであればできるかも知れませんが、それはもう「写真家」の領域ではなく、完全に電気機械の分野です。
写真を趣味として楽しむカメラマンでも分解してメンテナンスができる、という前提でクラシックカメラは作られているので、今でも分解して修理するというのが比較的容易なのです。
なので、長持ちするんですね。
■カメラはそもそも持ち歩きを前提に作られているので、意外と堅牢
考えてみれば、カメラというのは「戦場」で活躍する機会も多いわけです。
ロバート・キャパなどはまさにクラシックカメラで戦場の鬼気迫る一瞬を撮影していたわけで、そのようなタフな環境に耐えて生き残ったクラシックカメラですから、40年の時を経てもなんら問題なく現役として使えるわけです。
過酷な環境という観点で言えば、戦場だけではなく、探検家がエベレストに持って行ったり、南極に持って行っていたりもしていたわけです。
こう考えるとクラシックカメラというのは、よほど変な使い方をしなければ、まず壊れないということが言えるわけです。
■今も中古カメラ屋さんで部品が手に入る
クラシックカメラの部品は、今でも中古カメラ屋さんやオークションで入手することが可能です。
もちろん手に入れるのは簡単ではないでしょうし、値段も高いでしょうが、それでもよほどレアな機種でもなければ「絶対に手に入らない」ということはまずないようです。
■消耗品のパーツはどうするのか?
デジカメ全盛の現代では、カメラの部品に「消耗品」という発想はまったくないと思います。
しかし、クラシックカメラの場合はシャッターの耐久性能に限度があるなど、消耗品の扱いをすべき部品が結構あるんですね。
(たとえばシャッターの場合、「耐久回数10万回」などという注意書きが書かれていることが多いです)
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このような消耗品は、がんばって中古カメラ屋さんなどで手に入れても、またいつかダメになってしまうわけです。
その時はどうすればいいかというと、ジャンク品を狙うわけです。
ジャンク品だと割と安く手に入るようです。
ジャンク品というのは、カメラそのものの機能は使えなくなってしまっていますが、そのパーツだけを抜き出して使うということであれば全く問題ないわけです。
興味がない人にとっては「めんどくさい」と思われるかも知れませんが、逆にマニアの方にとっては、この宝探しが面白いんですね。見事にパーツを見つけたときは「ドラクエで民家をあさっていてアイテムを見つけた時」のような感動があるのでしょう。
人を惹きつける魅力は何なのか
そこまで「面倒」なクラシックカメラに愛好家がいるのはなぜでしょうか。
クラシックカメラの魅力をまとめると、下のようになります。
■現像するまでどんな写真になるかわからない
これは現代人からしたら「面倒」と思われることだと思いますが、一度現像の喜びを知った写真好きの人からすると、現像をしながら写真が徐々に仕上がっていく過程や仕上がった後の感動は、言葉にはあらわせないほどの感動があるようです。
たとえば将来的に、私たちがアフリカに飛行機で1時間で行けるようになっても、多分そんなに感動はしないと思うのです。
私たちがアフリカ旅行に行きたいと思うことの理由の一つとして「一番遠いところに行ってみたい」ということがあると思うのです。
その欲求を満たすには「フライト時間が長くて面倒」なほど「遠くまで来た」という実感があるわけです。
現像の手間というのも、写真好きの人々にとっては、そのような面倒くさい過程が楽しく、綺麗に仕上がった時の感動はひとしおなのだと思います。
■デジタル撮影の合間に、息抜きで楽しめる
これは主にプロの方など「デジタルで疲れるくらい撮影をしている」方にとってのメリットと言えるでしょう。
この点に関しては、私も仕事でイラストを描いているので納得がいきます。
仕事では常にデジタルで描くのですが、デジタルに疲れた時、昔のように紙に描いたりすると何とも言えない心地よさがあります。
いつもと「微妙に違う触感」というのは、人間の脳に適度な刺激をもたらしてくれるので、息抜きにはぴったりでしょう。
このように、今でもタフで多くの愛好家に好かれているクラシックカメラ。
デジカメとは違う刺激を求めて、手を出してみるのもいいかも知れませんね。
(財布に余裕のある方は。笑)
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