『投資は余裕資金で行え』の理由は? ~破産する素人の精神構造~
投資の鉄則の一つとして「余裕資金で行う」というものがあります。
つまり、「絶対に生活費をつぎ込むな」ということです。
ここではその理由と、具体的な「余裕資金による投資方法」について解説します。
「投資は余裕資金でしなければいけない」理由
これは「失敗した時に精神的に崩れないようにするため」です。
投資をしている人であれば、おそらく最初にこれを学んだことでしょう。(一番最初かはわかりませんが、真っ先に学ぶことの一つです)
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よく「投資は怖い」という人がいますが、そうした人に理由を聞くと、「FXとかで破産した人を知っているから」といいます。
しかし、こういう風に投資で破産する人というのは、大抵「生活費までつぎ込む」という投資(というより博打)をしてしまっているのです。
もっとひどい人だと、「生活費以上のお金」までつぎ込んでしまっています。つまり、「借金」であったり「信用取引」を使っていたりするわけです。
(信用取引というのは、「100万円持っていないけど、持っていることにする」という投資のやり方です。持っていない100万円を賭けたわけですから、失敗した時には、その分の損失まで払う必要があります。成功した時には、その分大きくなるのですが…)
上に書いた「FXなどで破産する人」というのは、大抵がこの「生活費までつぎ込む」か「生活費以上につぎ込む」という人なのです。
こんなのは投資ではありません。これは「投機」といいます。何の計算もなく、パチンコや競馬と同じように「一か八か」で賭けるのが投機です。
このように「失敗したら後がない」という状態になると、人は投資において冷静な判断ができなくなります。
冷静さというのは投資家にとって生命線とも言えるもので、それを維持するためにも「投資は余裕資金で行う」ということが鉄則となっているのです。
そもそも投資が何のためにあるのか考える
そもそも、何で余裕資金がないような人が投資をするのでしょうか?答えは簡単で「今の仕事が不満」だからです。
「手っ取り早く金持ちになりたい」と思っているからです。(違う理由もあるかも知れませんが、ほとんどはこういう理由のはずです)
しかし、本来投資というのはそういう理由でするものではありません。
投資というのは、
・自分が好きな企業(経営者)
・別に好きではないけど、社会にとって必要だと思う企業(経営者)
を応援するためのものです。キレイ事ではなく、これは事実です。
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そして、この「自分が好き」とか「自分が今後必要だと思う」と予測した企業が、実際に世間にも受け入れられて成長した時に、初めて株価が上がって利益が出るわけです。
つまり、「自分が好き」という感性や、「今後必要になる」という予測が、社会のそれとピッタリ一致している必要があるのです。
要は「相当頭がいい人(センスのある人)」にならなければいけないということです。
こうしたことは、投資の本質を少し考えれば当たり前なのですが、人間はどうしても怠惰な生き物なので、何かで失敗しない限り、こうした本質を理解することは難しいのです。
成功している投資家でも、最初から真面目だった方もいますが、最初は「楽して稼ごう」と考えて、ある時手痛い失敗をして、それ以降まじめに勉強し始めたという方も実はたくさんいます。
なので、最初は「楽して一攫千金」狙いでも別にいいのです。
ただ、そうした方はどこかで大きな打撃を受けるということは覚悟しておいた方がいいでしょう。
(ちなみに、その失敗した成功者の方々が立ち直れたのも、「余裕資金で投資していたから」ということは言うまでもありません)
最低でも1年分の生活費は確保しておく
具体的に「余裕資金とはいくらなのか」ですが、自分は「1年分の生活費」としています。
これはもちろん人によって違いますし、挑戦する投資のジャンルによっても違います。
結果が出るとしたら1年以内、という場合はこれでいいでしょう。
しかし、たとえば今の段階でiPS細胞の実用化関連に投資するというような大規模な計画の投資の場合は、もっと先の分まで、余裕資金を用意しておく必要があります。
(もっとも、それがすでに用意できている人でなければ、iPS細胞関連に投資しようなどとは思わないでしょうが)
さらに「1年分」という金額もまた人によって異なります。単身者であれば200万もあれば何とかなるでしょうが、家族がいる場合はそれでは足りません。
また、東京で暮らすのであれば200万では厳しいですが、札幌のように日本一家賃の安い地域であれば、150万程度で暮らすことも可能でしょう。
一つだけ言えることは、「質素にしていれば、それだけ余裕資金も残る」ということです。
投資で本当に成功したいと思うのであれば、大事な余裕資金をしっかり節約しながら投資に打ち込みましょう。
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