アンティークコイン投資のデメリット -富裕層しかできない?
前回は、アンティークコイン投資のメリットについて書きました。
この記事では逆に「デメリット」について書きます。
高額のコインでなければ意味がない
アンティークコインの価値は、あまり変動しません。
古くなればなるほど価値が上がるので「徐々に上がっていく」ということが決まっているだけで、株や外貨のように「経済の流れによって変動する」ということがないのです。
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つまり、価値の上がるコインは、すでに誰かが買っていることが多いのです。
「古いコインほど価値が出る」→「だったら、今買っておいて、ずっと持っておこう」と考える資産家が多いからです。
■一応、5万円程度から始めることはできるが…
アンティークコインの売買をしているサイトを見ると、安いものでは1枚5万円程度から売買されています。
ただ、このようなコインはその当時大量生産されていたものなので、今後もさほど価値は上がりません。
上がることは上がるでしょうが、アンティークコインのリターンは「20年間で10%以上」と言われています。(1969年~89年の20年間は、17%でした)
ということは、5万円のコインを20年持っていたとしたら、5000円ちょっとの利益ということです。20年で5000円ですから、「1年当たり250円」です。
つまり、アンティークコインが「ローリスクで確実に値上がりする投資」であることは間違いなのですが「元手が大きくないと意味がない」という、投資の原則に舞い戻るわけです。
管理費用もある程度かかる
もう一つのデメリットは「管理費用」です。コインという小さなアイテムなので、骨董品やアンティークカーなどと比べれば管理は遥かに楽です。
しかし、投資で利益を得られるような高額のコインになれば、さすがに自宅の引き出しで管理、というわけにはいかないでしょう。
防犯・防災対策のしっかりしている金庫などを借りる必要があります。(あるいは、自宅のセキュリティを堅牢にする必要があります)
となると、将来のリターンがこれらの管理費用を上回ることが必要なので、ここでもやはり「それだけ価値があるコインを買わなければいけない」という結論が出るわけです。
しかし、安いコインでもチャンスはある
実は、安いコインでもチャンスはあります。何らかのイベントによって価値が上がるケースです。
たとえば最近の日本では、映画「テルマエ・ロマエ」の大ヒットによって、ローマ時代の金貨の価値がかなり高くなりました。
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特にハドリアヌス帝など、この映画に登場した皇帝の金貨の価値が上がっています。
この映画は漫画が原作で、漫画がヒットしている段階から、ある程度映画化が予測できました。
ということは、こうした方面にもアンテナを張っていたアンティークコイン投資家であれば「ローマ時代の金貨の価値が上がる」ということを、予測できた可能性があります。
(実際、予測して大きなリターンを得た方も見えるようです。表には出ていませんが)
つまり、元手がなくて安いコインしか買えない人であっても、「特定のコインの価値が上がるイベント」を見つけ出せば、それなりのリターンを得られるということです。
(オリンピックなどの定期的に訪れるものは、恐らく誰もが予測しているので、もっと意外性のあるものを探す必要があるでしょう)
基本的には、富裕層のための投資である
前回の記事も合わせて結論を書くと、アンティークコイン投資は基本的に、富裕層のための投資といえます。
「リスクなく上がり続ける」というのは魅力的ですが、これは国債と同じようなもので、やはりそれなりの元手がなければ、利益が出るほどにはならないのです。
しかし「じゃあ、これから投資を始めたい人には意味がないのか?」というと、そうでもありません。
投資家の最終目的地は、このようなローリスクの投資です。資産がある程度のレベルになると、誰もが「減らさない」を第一として運用をします。
そうした方法の一つとしてアンティークコイン投資を知っているということは、自分が目指す未来をリアルにイメージできるということです。
投資で成功するにもイメージトレーニングは重要ですが、これは「投資で成功する、投資で成功する…」と呪文のような自己暗示をかけることではありません。
「成功した後にすること」を具体的に研究する(あるいは、できることはすでに実践する)ということです。
その方法の一つとして、(そしてあわよくばイベントによって稼ぐ方法の一つとして)、アンティークコイン投資を研究しておくことも、大きな意味があるでしょう。
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