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ファンダメンタル投資解説 vol.3 -流動&当座比率・ドルコスト平均法

2014.01.09

ファンダメンタル投資解説 vol.3 -流動&当座比率・ドルコスト平均法 はコメントを受け付けていません

前々回では「ファンダメンタル投資の概要」、前回は「ファンダメンタル投資のポイント」を解説しました。

ここではさらに突っ込んで、複雑な数値・定期購入の方法などを紹介します。紹介するのは、

・流動比率
・当座比率
・ドルコスト平均法

の3つの単語です。

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流動比率とは?

「借金の返済能力」です。この数字が高ければ高いほどいい会社で、最低でも150、できれば200は欲しいと言えます。

「流動」という言葉を抜くと、わかりやすくなります。資産と借金が「何対何か」という数値です。

たとえば「資産100万、借金50万」だとしたら、資産が借金の2倍=200%なので、「流動比率=200%」となります。

上で「200が理想」と書いた理由がわかるでしょう。これがもし「100」なら、「資産と借金が同額」ということです。

つまり、今の資産を全額返済に当てたら、貯金がなくなってしまうということです。

これではやはり、ファンダメンタル投資の対象としてはやや心配でしょう。なので、最低でも「150は欲しい」と書いたわけです。

■「流動」の意味は?

上の説明で省いた「流動」の意味ですが、これは「必ずしも全部『現金』ではない」という意味です。

現金だったらすぐに全額返済できるので理想です。しかし、現実には会社の資産が全額現金ということはありません。

大抵は、

・その会社の株価
・持っている不動産の価格
・抱えている在庫(売ればお金になるので、一応「資産」)

などの合計によって計算されています。しかし、これらの金額は当然「流動」します。

固定された金額の資産ではないので「流動資産」というわけです。

(ちなみに、負債の額も利率の変動などによって流動することがほとんどです。なので、正確にはこちらも「流動負債」といいます)

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「当座比率」とは?

これは流動比率を「さらに厳しく見た」ものです。流動比率は上に書いたように「現金でない資産」まで計算しています。

しかし、現金でなければ本当に安心することはできません。不動産も株価も、ある日突然ゼロになる可能性があります。

そのため「資産は現金だけで見た方がいい」という理由から、そういう指標が生まれたわけです。それがこの「当座比率」です。

「現金の資産」V.S.「借金」の比率です。これの理想は「100」です。

つまり「返そうと思えば、今すぐ現金で全額返せるレベル」ということです。

これだったら最悪倒産はないので、長期投資にふさわしいということです。

ただ、この「100」というのはあくまで理想の数値です。

たとえばソフトバンクはこの10年でも、大きい買収のために兆単位の借金をしたことが何度かありました。

この時はソフトバンクでも当座比率がかなり低かったはずですが、どの勝負でも数年で完済しています。

このため、一時的な当座比率だけを見るのではなく、あくまで「その会社が何のために借金をしているのか」を見る必要があります。

その理由や見通しさえしっかりしているのであれば、一時的に当座比率が低くなろうと問題はないのです。

それを見抜くためにしっかり勉強するのが、ファンダメンタル投資の基本です。

定期的に株を買う ~ドルコスト平均法を活用~

ファンダメンタル投資では、「この会社は伸びる」と確信して買ったなら、その根拠が崩れない限りずっと応援する必要があります。

トヨタは一度倒産していますし、アップルも倒産の危機から復活しているからです。

そういう局面でも投資を続けてこその、ファンダメンタル投資です。

それはわかっていても、さすがに株価が半分になったりしたら、ほとんどの人は冷静ではいられないでしょう。

「自分は冷静でいられる」というのは、本当に大物の方か、自分をまだよくわかっていないのどちらかだと言えます。

勝ち続ける(正確には「負けない」)投資家は大抵臆病なので「自分はそんなに強くない」と自覚しています。

なので、研究した上で「間違いない」と思った会社や業界は「強制的に支援を続ける」仕組みを、自分に対して課しています。

その方法の一つが、見出しの「ドルコスト平均法」です。

■ドルコスト平均法とは?

これは「毎月一定金額で株を購入する」というものです。
株の定期購入の方法は2種類あり、

・定数株購入…「毎月10株」のような買い方。株価がどれだけ高騰しても、必ず10株買う。
・ドルコスト平均法…「毎月1万円」のような買い方。株価が1万円まで高騰した場合は1株しか買わない。100円なら100株買う。

となります。なぜ後者の「ドルコスト平均法」がいいのでしょうか。

■高い時は買うべきではない

当たり前ですが、株というのは「高い時は買うべきでない」のです。

ドルコスト平均法なら自然と「高い時は買わない」というルールを守れます。

ファンダメンタル投資では「A社は伸びる」と確信した会社に投資をします。

ということは、下がった時ほど大チャンスなわけです。

ちゃんと勉強していない他のにわか投資家たちは、A社の株価が上がっているのを見て買いに走ります。

この人たちはA社の将来性を知らないので、少しでも株価が下がったらすぐに売りに出すでしょう。

A社の将来性を知っている人からしたら、これほどのチャンスはありません。

そういう「にわかファン」が消えた時にたくさん&安く株を買えるのが、ドルコスト平均法なのです。

流動比率・当座比率などの数値も見ながら、こうした定期購入のシステムも併用して、投資を続けるといいでしょう。

*ちなみに「ドル」というのは「お金」という意味です。海外から入ってきた言葉なのでこうなっていますが、円とドルの為替で何かするわけではありません。

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