外貨MMFとは? -外貨預金との違い・利益非課税の理由など
外貨MMFとは何か、簡単にまとめると、
・基本は外貨預金
・ただの預金ではなく、そのお金をプロが運用する
・運用するから、預金よりも利益が大きくなることがある
・逆に、失敗して全額失うこともある
というものです。
外貨預金との違い
上に書いた通り「プロが運用する」というのが一番の違いです。プロというのは「ファンド」のことです。
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MMFとは「マネー・マーケット・ファンド」の略で、「マネーマーケット(為替市場)を舞台とするファンド(投資信託)」ということです。
■なぜ外貨預金よりも利益が大きくなるのか?
外貨預金では、決められた利息がつくのを「おとなしく待つ」ことしかできません。
しかし、MMFではプロが「がんがん攻める」運用をします。
たとえばあなたが「カンボジアドル」に預金するとしましょう。
カンボジアドルは今、1年の定期預金で約6%の利息がつきます。
なので、あなたが100万円預金したら、1年後には「6万円増えて」戻ってくるわけです。
しかし、この間にも為替は大きく動いています。カンボジアドルと円を比べて、円が高い時もあれば、安い時もあるのです。
そういう波を見つけるたびに、デイトレーダーのようにちょくちょく売買をしていれば、100万円の元手は、うまくいけば200万になる可能性もあるのです(あくまで例えです)。
ただ、これは逆に失敗したら全額消えるということでもあります。
なので、外貨預金では保証されている元本(最初のお金)が、外貨MMFでは保証されていないのです。
■運用は自分でしてもいいのでは?
上の話を聞いて「運用をプロに任せなくても、自分でやってもいいのでは?」と思った方もいるかも知れません。
その通りです。プロに任せる以上彼らへの報酬も払う必要があります。
これは「信託報酬」というもので、いわば「投資の代行料」です。
ファンドの投資家が高給取りなのはよく知られていますが、彼らの給料はここから出ています。
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ということは、信託報酬だけでもかなり取られているのですね。
なので、プロを頼らなくても自分で成功する、という自信がある方は外貨MMFを通す必要はないのです。
FXのように、全部自分でやればいいのですね。しかし、当然そんなハイレベルな人はほとんどいないので、多少お金を払ってでも、皆プロに依頼しているわけです。
少額投資でもスタートできる
MMFは外貨預金と違い、少額投資でもスタートできます。
MMFといってもピンからキリまでですが、「ワンコイン投資」の中に組み込まれているMMFもあります。
その場合、「500円」からでも投資可能です。
もちろん、MMFに限らず500円の投資で利益がでるような投資商品はどこにもないので、これはあくまで「それも可能」というだけの話です。
実際には最低でも1万円程度からという相場になっていますが、それでも外貨預金よりは遥かに低いハードルです。
■外貨預金は最低10万円から
外貨預金は大抵、「最低金額10万円程度から」となっています。理由は「手数料が高い」からです。
手数料が高ければ、大きい金額で投資しない限り、利益が出ても全部手数料で消えてしまいます。
そのため、少額で外貨預金をする人はいません。いない以上、対応する必要がないわけです。
となると、システムも最初から「10万円以上でないと受け付けない」としておいた方が、銀行側の事務の負担も減るわけです。
なので、「10万円未満は預金できない」わけです。
■ MMFはなぜ少額でもいいのか?
これは「みんなで投資するから」です。「投資信託」のことですね。
投資信託は「小口の出資をたくさん集めて、それで大規模な取引を行う。成功した分は山分けする」というものです。
なので、あなたがMMFに投資したのが1万円だけだったとしても、他にもそういう「1万円の出資者」がたくさんいるわけです。
それらをかき集めた大金を運用し、大きな利益を上げるのがMMFなので、少額でもいいわけです。
利益分が非課税になる(2016年まで)
正確にいうと「為替差益」のことです。「円の価値が上がった(下がった)」ことで生まれた利益です。
私たちの持っている現金は、何もしていなくても毎日価値が変動しています。
外貨の売買をしていれば、それだけでも「為替差益」が生まれるのです。
(失敗して損する「為替差損」も生まれます)
外貨預金やFXの場合、この利益には税金がかかります。しかし、MMFにはかかりません。
理由は「名目上、為替の売買はしていない」というものですが、この解説は長くなるので省略します。
ただ、「MMFだけ非課税なのはおかしい」という指摘は前々からあったので、2016年からついに課税されます。
なので、すでにMMFに手をつけている方は、一度2015年に売却して、為替差益を得ておいた方が得です(差益が出る場合は、ですが)。
逆にこれから始める方の場合は、これまでの「非課税だから儲かりやすい」という知識が役立たなくなります。
そのため、MMFについて本やサイトで学ぶときは、「今後は課税される」ということを踏まえた解説をしているものから学ぶようにしましょう。
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