株の空売りの「貸し手」に回る方法 -塩漬け株でも利益が出せる
以前、株の空売りの仕組みやメリットを紹介しました。↓
株の空売りの仕組み
ここでは、空売りを「する側」ではなく、「株券を貸し出す側」になる方法を紹介します。
証券会社の貸し株サービスを利用する
SBI証券、カブドットコム証券、松井証券などは「貸し株サービス」を提供しています。
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株を借りたい人と貸したい人の仲介をしてくれるサービスです。なので、借り手と直接交渉する必要はありません。
このサービスに貸したい株を登録しておくだけで、借り手が現れたら取引を成立させてもらえます。
もちろん、証券会社に対してある程度の手数料は払います。ただ、貸し手である以上利益は必ず生まれます。
空売りで失敗しても損失を被るのは空売りをした人だけであり、その株を貸した人には何も影響はないからです。
貸している以上、現金と同様に「利息」が得られるので、貸し借りの契約が成立した時点で確実に儲かります。
■年率0.3~0.5%の利益
利益は平均で、0.3~0.5%程度と言われています。最大の場合には5%のこともあると言われ、場合によっては高利も狙えます。
(金利は常に変動しています)
このように高利益を得られることもあるのですが、基本的に株を貸すというのは「人任せ」の運用です。
デメリットがない代わりにメリットも小さくなるのが当然ですから、大きな利益を狙う手法ではない、ということを意識しておきましょう。
空売りで大きな利益を得たいなら、貸し出す側ではなく借りる側(空売りする人)に回ることです。
もっとも、前の記事で書いたように、空売りというのは株式投資の本質に反する行為ですから、あまりおすすめはできませんが…。
■貸し出している間、株券の配当はどうなる?
どんな株券でも配当金があります(株主優待もあります)。これは、貸し出している間も自分が受け取れます。
あくまで「紙切れ」を貸し出しているだけで、「権利」は自分の手元にあるからです。
なので、空売りで株を貸す側というのは、本当にデメリットがないのです。
デメリットがあるとしたら、その株券を買う時に使ったお金をいつまでも回収できない可能性がある、というくらいです。
(貸し出した利息は微々たるものなので)
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■売るに売れない「塩漬け株」を貸し出そう
上のように考えると「もう売りに出しても当初のお金を回収できない」という株券は、貸出にぴったりだと言えます。
いわゆる「塩漬け株」ですね。保有している間にどんどん株価が下がり続けて、もう売るに売れなくなった株券です。
これは手元においておいても何の利益にもならないので、間違いなく貸出に回した方がいいです。
「借り手がいるのか?」と思われるかも知れませんが、空売りでは「現時点の株価」は別に関係がないのです。
■空売りで大事なのは「これからも下がるか」
空売りをする投資家が見ているのは「この株は今後も下がるか?」です。つまり「ダメな株券ほどいい」わけですね。
空売りは下がって初めて利益を出せる方法だからです。ということは、塩漬け株ほどむしろいい、という考え方もできます。
その会社には残酷ですが、ダメな会社だからこそそこまで落ちたわけなので。
下げ止まりか、まだ落ちるかはわかりませんが「塩漬け株を有効活用する方法」といったら、もうこれしかないでしょう。
覚えておきたい空売り用語
たとえ貸し出す側であっても、「空売りとは何か」は知っておく必要があります。
ここでは、空売りを知る上で欠かせない単語をいくつか紹介します。
■逆日歩(品貸料)
これは、株の貸し借りで発生する利子です。貸し出す側にとっては利益ですね(自分がもらえるお金です)。
逆日歩がいくらかは銘柄によって違います。
たとえば逆日歩が「0.3円」という銘柄だと、1日1株借りるごとに0.3円の利息がつきます。
なので、たとえば100株を10日借りたとしたら、「0.3円×100株×10日」で、300円の利息がつくわけです。
空売りは最大6ヶ月まで借りていいというルールになっていますから、最大まで借りたとしたら、この18倍なので、5400円の利息が発生します。
具体的な金額や日数などは本当にランダムなので、これらはあくまでただの例です。
しかし、率としては平均で「年率0.4%前後」といえます(先にも書いた通りです)
この年率だと、たとえば1000万をつぎ込んだとしたら、1年間で4万ということです。
1000万を1年寝かせて4万ではあまり美味しくないかも知れませんね(笑)。
ただ、ノーリスクな方法なので、これはいわば定期預金のようなものなのです。
なので、大きな利益を狙うのではなく、あくまで守りの運用の一つとかんがえるべきでしょう。
■信用取引口座
これは空売りをする時に必ず開設する口座です。空売りは最初に「株券を借りる」というところから始まります。
FXでもそうですが「持っていないのに、持っていることにして取引する」ということを信用取引といいます。
そのための口座を開設するということですね。
基本中の基本の単語ではありますが、日本人の9割はこういう基礎的な単語でも聞き慣れていなくて、それがビジネスや投資に対するアレルギーにつながっています。
なので、まずはこういう単語に親しむということも大事なのです。
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