うつ病はゆっくりと回復していきます~けっしてあせらないで下さい。
医療機関でうつ病と診断された場合、抗うつ薬をメインとして、患者さんに適した薬が処方されます。また、必要に応じ、認知行動療法も並行して行い、心身の回復に努めます。
抗うつ薬は、徐々に少しずつ量を増やしながら、1~3ヶ月ぐらいかけ、必要な場合には、最大量まで服用し、副作用の効果や様子を慎重に観察する必要があります。
効果は、すぐに表れるものではなく、通常、2~3週間はかかるものと考えておきましょう。
6~8週間服用しても症状が改善しない場合には、他の抗うつ薬を試してみる必要があります。
抗うつ薬は、効いてきた場合、3~6か月ほど飲み続けましょう。症状が改善してくると、「もう飲む必要はないや」と思って、勝手に服用を中止してしまう患者さんもいますが、それでは、またすぐに再発してしまう可能性があります。
うつ病は、もともと再発しやすい病気なので、寛解(完全には治っていないものの、症状がほとんどなくなって安定した状態)に至っても、通常、医師の判断により、3~6か月ほどかけて、徐々に少しずつ、服用する量を減らしていきます。
最低の維持量を服用するようになってから、さらに、6か月~1年ほどは、薬の服用を中止する方向で様子を見ていきましょう。
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最近は長引くケースが多い
近ごろは、症状が改善するまでに長引くケースが多いようです。「そろそろ薬を減らそうか」と思う頃に、症状が戻って、薬の量を増やさざるを得なくなったりと、スムーズに快方へと向かうことが難しくなってきています。
その原因には、うつ病の要因が環境やストレスなど多岐にわたるため、うつ病自体が複雑化しているといったことが考えられます。
うつ病では、全ての症状が一気に回復することはあまりないといえます。早く治る症状と、ゆっくり治っていく症状とがあります。
早めに治る症状としては、焦り、イライラ、不安などがあります。物事に対する興味の内では、インターネット、新聞、テレビなどに対する興味が比較的早期に回復するでしょう。
次いで、ちょっとした家事もできるようになるでしょう。だからといって、洗濯であれば、洗濯機を回すことはできても、干すことはできないなど、簡単なことから回復していきます。
とにかく、“ゆっくり”と回復していくのです。家族からすると、歯がゆいかもしれませんが、見守ってあげる必要があるといえます。
再発防止には発病前の生活の見直しが必要
服薬を中止し、うつ病の症状も見られなくなり、それまでの正常な生活を送るまでに回復して、心身ともに健康的な生活を安定的に送ることができるようになれば、「うつ病は治った」と考えて構わないでしょう。
うつ病が治ると、誰もが安心するでしょう。また、「勉強を頑張ろう」、「今までのように精力的に仕事をしよう」などと思うかもしれませんが、是非、うつ病になる前の生活を見直し、改善を心がけるようにしましょう。
以前は、ストレスが多く、疲れが溜まりやすい生活だったのではないでしょうか。そのような生活に逆戻りすれば、うつ病再発の可能性も高くなるといえそうです。
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