糖度は野菜のおいしさの決め手になるか?
野菜のおいしさの指標としては、糖度を使うことが多いですね。
「○○並みに糖度が高いです」といったコマーシャルをよく目にします。けれども、それを鵜呑みにしてはいけません。
そもそも糖度って何?
一般的に「糖度」という場合、屈折糖度計で測定した値、つまり、可溶性固形物の量を「糖度」として認識しています。
また、これとは別に、精糖業界では、「ショ糖」の含有量をさして、「糖度」とし、これと判別をするために、屈折糖度計で計った値を「brix(ブリックス)」として、区別する場合もあります。
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どちらの方法にせよ、その野菜の糖度を示す指標としては十分とはいえません。糖分にはショ糖だけでなく、果糖やブドウ糖などを含み、その組み合わせによって実際に感じる”甘み”が違ってきます。
そのうえ、アミノ酸の一部にも甘みを感じさせるものがあり、これらの影響も加味しないといけません。いずれにせよ、糖度は複雑な要因によって決定されるということです。
ゴボウはブドウ糖が多いのに甘くない
ブドウ糖の多い野菜として、「ゴボウ」があります。でも、ゴボウはそれほど甘いと感じませんよね。
サツマイモは甘いですが、麦芽糖を多く含んでいるのですね。水飴も麦芽糖の水飴というのがあるくらい、甘みとして強く感じるものがあります。
本当においしい野菜とは?
ところで、「糖度が高い」ことは「おいしい」ことと比例するのでしょうか?
甘い方がおいしいと決まっていると答えられる人は何人いるでしょうか?確かに、甘い方がおいしいと思いますが、ここ30年くらいの、「おいしさの追求」は、「甘み」に重点が置かれすぎたのではないでしょうか。
この間、栽培方法や品種改良も甘みが多いものへとすすみ、生で食べられるにんじんや、ほうれん草などが普通に出回ってくるようになりました。そのかわりに香りがなくなり、何を食べても満足感がない野菜というのも多くなってきました。
今では、昔懐かしい野菜がいいと、伝統的に昔から作られている野菜に注目が集まっています。糖度を気にしすぎるのも考えものですね。
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